【筆者考察】今後のOLCについて

※この特集は、筆者の独自視点からの考察ですので、あくまでも個人的意見としてお読みください。

ディズニーランド40周年、ディズニーシー20周年という日本のディズニーパークも長い年月が経ち時代背景も開園当初とは随分と変化しつつある昨今。
運営するオリエンタルランドの今後に対する冷静な意見などを何回かに分けてにまとめていきたいと思います。

 


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はじめに

この特集記事を書こうと思ったきっかけは、個人的に今のパークが「90~2000年代のパークとは全く別のものになったように感じる」ためです。
それはもちろん、時代の変化に合わせて変わっている・筆者が歳をとった・ニーズが変わっている…など様々あると思うので一様に【悪い】とは言えないと思います。
しかし、個人的には今過渡期に入っていると感じています。

開園当初のディズニーランド

 

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一番大切なものを失いかけている?

ディズニーパークにとって大切なもの

筆者が考える【ディズニーパークにとって一番大切なもの】は

◆夢(非現実)を見せる・体感させること

だと思っています。例えば、

  • 施設の裏側を隠し細かなところまで設定に沿って装飾を施したり音楽が流れていたりすることで、その時代にタイムトリップした気分や、普段の日常を忘れるということ
  • 仕掛けのわからない装置などで演出されたアトラクションやショーなどによって、魔法を体感している気分になる
  • キャストや他のゲストとの触れ合いやキャストのサービスであたたかみを感じる

などなど。
その他個人差で感じる場所は違うと思いますが、大まかにこのような箇所ではないでしょうか。

 

その他、ディズニーパークらしさ

上記以外にディズニーパークらしいところというのは、様々あるかと思いますが、以下のようなところではないでしょうか。

  • 他の遊園地などには類を見ない規模の施設やアトラクション
  • ディズニーキャラクター
  • 清潔な環境や手入れされた施設・植栽など
  • 常に変化しているアトラクションやエンターテイメント

ただ、こちらに関しては、他のテーマパークにもできることもありますよね。
やはり、先述の【夢(非現実)を見せる・体感させること】というのが一番ディズニーでなくては出来ないことではないでしょうか。

 

 

Name
次項では変わっていっているものを紹介します

 


 

筆者が最近感じること

IT化による人との関わりの希薄化

昨今は、入場からショーの抽選や、レストランの予約、アトラクションのプレミアパスの購入、ショップアイテムの購入などなんでもアプリ上で出来ます。
これは大変便利であり、スマホユーザーが大半を占める現代では欠かせないシステムでしょう。
しかしこれにより本来のディズニーパークの良さは半減しているようにも感じます。

 

アプリ化によるメリット

  • 予約や抽選など、現地(そのアトラクションの場所)まで行かなくても出来、特に年配の方や体に障害を抱える方、妊婦の方など動き回ることが難しい方にはとても便利
  • アプリ上で待ち時間など情報がわかるので施設現地やインフォメーションの混雑が避けられる
  • あらゆる場所の混雑の緩和や人々の導線の整然化
  • キャストに尋ねなくても施設の場所や情報を仕入れられる
  • 走る必要性や行為が減り安全性が高まる

アプリ化によるデメリット

  • 携帯画面を見る機会が多く、周りの装飾などに目をやる機会が減る
  • 携帯画面を見ることで、日常を感じてしまう
  • キャストとの関わりが減り、人の温かみを感じることが少ない
  • 簡単に色々出来てしまうがゆえに味気ない
  • 特別感を感じにくい

 

 


 

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以前のパークとディズニーフィロソフィー

ディズニーフィロソフィー

ディズニーフィロソフィーとは、ウォルトが提唱した哲学で、今日のディズニーアニメをはじめ様々なディズニー関連企業の創作の元になっているものです。
ディズニーが残した言葉は数多ありますが、ディズニーパークに通ずる代表的なものをいくつか紹介します。

  • ディズニーランドは永遠に完成しない、世の中に想像力がある限り進化し続けるだろう。
    →つねにゴールはなく生き物のように変化し続け人々に感動を与え続けるという考え。
  • 全ては人の手によって作られる
    →どんなに施設がそろっていても「人」がいなければ始まらない。逆を言えば「人」さえいればパークになる。
  • 続編は作らない
    →映画などをはじめ、続編やパート2は作らない主義。
  • ディズニーランドでは誰もが童心にかえり大人も子供も楽しめる

 

以前のディズニーランド

上記はディズニーが残した名言のほんの一部ですが、そのディズニーの言葉を元にディズニーランドでは様々なことが決められていました。

  • パーク内には時計や鏡が少ない
    →現実を実感してしまわないように。
  • 飲食物の持ち込み禁止
    →かつてはかなり厳しく制限していました。様々な理由が考えられますが、現実を感じてしまわないようにというのが一つの理由でしょう。
  • 販売機などは置かない
    →全て人の手から手へというサービスを意識することで、心温まるパークを実現。
  • いらっしゃいませは言わない
    →恐らく日本だけですが、いらっしゃいませという一方通行の言葉でなく、「こんにちは」など会話が生まれやすい声かけ

※筆者個人の予想です

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この様なきまりで「ディズニーランド内は特別な空間」になっていたわけですね

Name
パスポートホルダーや帽子を使っている人もたくさんいて、特別な日をみんな楽しんでいましたね

今も夢と魔法の王国のままか?

みなさんはどう感じますか?

みなさんにとって、ディズニーランド・ディズニーシーはどの様な存在ですか?

  • CMを見ただけでワクワクする
  • 特別な日や、一生の思い出になるような時に行きたい
  • そこではビジネスや労働は感じず、異空間に感じる
  • ミッキー達はまるでそこで暮らしているようにさえ感じる

こんなイメージはお持ちでしょうか。
個人的には、このような捉え方をしている方は【減った】のではないでしょうか。

昔のCM

世の中の技術の発達

もちろんそれには、先述したように時代の価値観の変化や著者も若くなくなったということなども挙げられると思いますが、世の中の技術(主にIT)の発達があるかもしれません。

  • あちこちでパーク内の動画や画像が見れてしまう
  • 便利で素晴らしい技術が世の中に溢れ、人々の物事に対する感動が薄まった
  • アニメ・映画・TVなどに対するエンターテイメントへの感動も薄まった(慣れてしまっている)
Name
しかし、このような世相だけが原因でしょうか。

著者が思う最大のポイント

オリエンタルランド自身が夢を守っていない

あくまでも著者の意見ですが、こうなってしまった最大のポイントは運営するオリエンタルランド自身が大切なもの(夢をまもる・現実を見せない)ということを逃してしまっているように思います。
例を挙げてみると…

  • リゾートラインから見えるバックヤードを一向に隠さない
  • アトラクションや施設のバックグラウンドストーリーが無理矢理
  • プレミアパスを円表示など資本主義的な表現を隠さない
  • バケーションパッケージをはじめとする資本所持者が優先される制度
  • ディズニーギャラリー・メインストリートシネマをはじめ、ディズニーの魂を伝えるようなショップやアトラクションなどを閉鎖、レジのみの施設など効率化・利益化を前面に出した施設へと変更
  • キャストのコスチュームの複数施設での統一化など効率化による施設のテーマ性の低下
  • 自販機導入
  • リハーサルなどの公開(特にミラコスタから見えるもの)
  • 細かなエンターテイナーや小さなショーの廃止
  • 特定スピール(キャストがゲストに一斉案内する時の言葉や文章)やセリフのマニュアル化や廃止などによる遊び心の省略化
  • 期間限定商品の期間外安売り
  • あちこちにスポンサー名を迫り出している

まだまだあるかもしれません。
もちろん、【ゲストの安全のために必要なもの】【時代の変化により発生したニーズにより必要なもの】【経営の効率化や利益の増加】などどうしても必要なものもあると思います。
また、『変わっていくこと』も必要かと思います。

しかし、もう少し上手くやれないものか…と思う場面も多々あります。

高橋正知さんはどう感じているか…

高橋正知さんというのは、もう亡くなられていますが「日本にディズニーランドを誘致しよう」と動いた中核の方です。その高橋さんは今のパークを見たらどう思うでしょうか…
そして皆さんはどう感じますか?

高橋正知さん

まとめ

これらさまざまなことから、今、ディズニーランド・ディズニーシーは【過渡期】に入っていると思います。
他のテーマパークも経営努力が凄まじく、人気を伸ばしていますし日本全体の問題である少子化や行楽にかけられる費用の低下なども相まって今後の経営が難しくなるのではないでしょうか。

現時点では、年間パスポートをやめた今でも入場者は減らず、一見すると好調にも見えますが、私個人としては【世の中にとってディズニーでなくてはならない理由】が減っていくと思います。
これには、次回特集以降にも記述する「アトラクション技術」や「エンターテイメントのセンス」なども関係していると思います。


次回以降の予告

  • アトラクション技術について
  • エンターテイメントについて
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